謎解きメールセミナーのサンプル<3>


謎解きメールセミナー<3日目> サンプル


(※)このような文章で始まります。

内実整備が経営の王道

 

成長を目指す場合の方向は2つしかありません。

  1. 他の市場へ進出して成長を企てる「多角化策」
  2. 経営力を高めて現行事業の市場での優位性を高める「深耕策」

の二つです。

危険性の視点から比較すると、多角化策は深耕策に比べてかなり危険性が高くなることは、わざわざ説明するまでもないでしょう。他市場に侵攻するのですから、その市場のことをよく研究している人材が不可欠です。内実整備を経ていない組織に、そのような有能な人材がいることは考えられませんから、この策は人材・資金の両面で困難であると言えます。

つまり、事業成長は、まず深耕策から入り、資金をたっぷりと蓄えてから、他市場の競合状況を観察して人材を確保した上で多角化策へと展開するのが安全と言えますね。

特に、今後の飲食業界はそうです。

2020年まではインバウンド客が増えて行きます。しかし、20年をピークに減っていくことを想定しておかなければなりません。つまり、インバウンド客の増加を見越して無理な借入で多角化に踏み切ってしまうと、20年以降のインバウンド客の激減というインパクトに堪えきれなくなってしまうリスクがあるということです。仮に、これまで深耕策を採ってきてたっぷりと内部留保があるとしても、インバウンド客に依存しきった軽率な多角化はお勧めできません。

ももたろうと同様に飲食店経営者の多くが、事業の成長の指標は「事業規模」だと考えるようです。具体的に言うと、年商額、従業員数、あるいは展開店舗数などです。外から見て誰でもわかる「外観的な規模」です。

しかし、そういう経営者のほとんどが経営破綻を招いて、倒産・廃業していきます。

毎年のように借金を重ねて新規出店を行う会社が現実に多数存在します。店長にふさわしい人材も育っていないのに、やみくもに「物件賃料が安い」という理由だけで出店を決めていきます。案の定、業績は振るわず資金繰りがひっ迫します。またまた借入をします。新規出店を口実に設備投資目的として融資された借入金を運転資金に転用しながら生き延びます。そうして、徐々に破綻の道へと転がっていくのです。そういう経営者のほとんどが、「外観的規模を拡大すれば、人材や財務の内実は後から何とかなる」という決断をしているのです。決断に客観的な根拠があるとは思えません。まさにバクチなのです。

事業経営はバクチではありません。1日目で述べたように、経営は経営者の心の問題が大きく左右するテーマです。しかし、心の問題だからといって、経営者個人が勝手気ままに判断していいわけではありません。

経営においては、まずは「内実を整えるところから入るべきで、人材や資金が蓄積すれば自然に外観に現れるはずだ」という判断こそが、正しい事業成長の論理です。「いつでも誰でも再現可能な復元と改善のメカニズムを作ること」とは、経営の内実を整えることなのです。

ももたろうは、そういう視点と論理を持って起業すべきでしたが、無鉄砲な彼はそうしませんでした。

外観的規模という「宝探し」の旅そのものを目的にしてしまったのです。内実を整えて人材を育て、資金を内部に蓄積するべきだ、という王道の発想を持ちませんでした。宣伝広告と設備投資と外部調達資金の三つで、外観的規模の拡大を叶えることが「成功」だと思い込んでしまったのです。ももたろうは、経営の王道を知らなかったがために、破滅の道を選んでしまったのです。

ちなみに、英語で王道とは“Royal road”。「近道」という意味もあるんです。面白いですね。

それでは、経営の王道である「内実」とは何でしょうか。「経営の内実を整える」とは具体的にはどういうことを指すのでしょうか。

まずは、「収益性」が第一ですね。利益が継続して上がる体質のことです。

利益を上げられる論理と仕組みが仕事の中に組み込まれ、そこで仕事をする従業員はその論理と仕組みでもまれて鍛えられて学習して、いつしか利益が上がる思考しかできない体質になっていきます。

内実整備の第二は、「差別化資産の蓄積」です。

収益性体質によって利益思考のできる人材という資産が蓄積されます。こういう人物が新店の店長を歴任して、組織全体に利益思考体質を伝播する役割(社内エバンジェリスト)を担います。まさに競合優位に立てる差別化の資産です。

もちろん、継続的な利益拡大は自ずと「現金」という資産(内部留保)も蓄積させてくれます。内部留保の蓄積は、外部に資金調達を依存しないでいい状態のことです。つまり、無借金体質への近道なのです。

内実を整備して「継続的収益体質」と「差別化資産の蓄積」の二つが作りあげられたときに「事業は成長した」といえるわけです。その結果、「外観的規模の拡大」が容易になり、多角化へ歩みを進めることができるのです。内実整備もできておらず、収益を継続的に上げる力もなく、差別化資産である人材が育ってもいない会社が、創業・起業時のナマな動機のまま「外観的規模の拡大」を目指すべきではないのです。


続きは本編で