ももなぞブログ

飲食チェーンの拡大志向はますます増大していく。

お隣の中国からのインバウンド客による爆買いが終息しつつある中、観光地や食事などを目的にした体験型観光客が相対的に増えてきている。

飲食店にとっては稼ぎ時だ。2020年の東京オリンピックもある。

マーケット拡大を見越して店舗を次々に増やしていく飲食チェーンが後を絶たない。

「成果の拡大」は戦略の基本だが、それには「内実が整っている場合」という条件が付く。

いくら売上を上げても利益が社外流出してしまうような店舗(つまり不採算要因が根絶されていない店舗)がたくさんできたところで、利益は残らない。

つまり、内部留保の蓄積が不十分でつねに外部から資金調達しなければ拡大できない飲食チェーンは、いずれ破たんする。

中国政府が日本への観光客に対して経済的な枷をはめたり、東京オリンピックの開催前にテロがあったりすれば、おそらく多くの飲食チェーンが首都圏の店舗を軒並み閉鎖せざるを得ないだろう。財政的に脆弱なチェーンは事業売却するか、下手すると倒産するところも出てくるに違いない。

成長=店舗数、売上高、従業員数の拡大(外観的規模の拡大)

と認識している飲食チェーン経営者が多い。

外観的拡大のために借入を頻繁に起こす一方、不採算店舗が増えていくのはお構いなし。

穴の開いた寸胴鍋に上からジャンジャン水を注いでいる状態だ。

どれだけ水を注いでも鍋の水は一向に溜まらない。

金融機関も、外食産業が抱える利益メカニズムのからくりに気づかずに、どんどん融資する。

そうやって、店舗数と知名度ばかり大きな、財政基盤の弱い飲食チェーンが増えていく。

これは、20兆、30兆産業ともいわれる外食産業にとってゆゆしき事態なのだが、そのことに気付いている飲食チェーン経営者はとても少ない。

たまたま、経済学者の平野和之さんが同じような趣旨の記事を書いておられたので、抜粋しておこうと思う。

真名井たける

 

 

http://hbol.jp/107180 より抜粋

なぜ格安居酒屋などの出店は跡を絶たないのだろうか?

それには、飲食店が、金融機関にとってはカネを貸しやすい業種の一つだということが挙げられる。第一に開業資金を除けば日銭を稼ぐことで銀行返済が可能である点が一つ。さらにチェーン店の場合、拡大を繰り返すごとに資金を調達してくれるので銀行にとっては「いいお客様」でもある。また、中小零細の飲食店などは、最悪の場合商工ローン等からも融資を受けても続けるため、過当競争が終わる気配はない。さらに、内需減少・デフレ経済の中で、信用保証協会という実質的な政府保証をつけることで金融機関はリスク融資が可能になるため、外食産業はゾンビになってもつぶれにくい、淘汰されにくいのだ。

こうした構造的な要因をどうにかしないかぎり、本物志向やテーマ性の実現をできない飲食店が安易なディスカウントに走り、ブラックな労働環境の店や「まずい酒」を出す店が、できては潰れを繰り返すという状況は変わらないのではないか。

【平野和之】
経済評論家。法政大学卒。上場企業に勤務ののち、各メディアでの執筆、出演、講演、投資コンサルティングなどを行っている。http://www.hirano.cn/

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